安全性 在来船並
運転性 機関室人化
・想定船としては、船の隻数が多く、沿岸を航行し出入港回数も多いため排気ガス中の大気汚染物質の低減等の燃料電池の特性が活かせること、および近い将来期待できる燃料電池の出力規模の面から、499型内航貨物船相当を選びました。
・船舶用燃料電池としては、作動温度が低く負荷変動特性に優れており、出力密度が高く、振動・動揺にも問題の少ないことが必要であるとの観点から、固体高分子型(PEFC)を選定しました。
・燃料としては、水素・天然ガスに比べて貯蔵が容易で、他の化石燃料に比べて燃料の水素ガスに改質する温度が低いため小型化の可能性があるメタノールを選定しました。
・効率その他の性能としては、在来船に対抗できる値を目標としました。
2.2 研究の実施方法
研究は、次の4つの部門に分類して、表1のスケジュールで実施しました。
(a)全体システムの研究
(b)サブシステムの研究
(c)制御システムの研究
(d)舶用化技術の研究
研究を行うにあたっては、想定船の推進プラントの試設計を実施し、それをもとに全体の研究の整合をほかりました。
研究では、上記の各部門についての要素研究を実施するとともに、以下の実験およびシミュレーション解析を行いました。
(a)舶用特性データを得るための1kw PEFCの実験
(b)PEFCに有害な、改質ガス中のCOを除去する装置の実験(メタネーシミョン法およびセレクトオキソ法)
(c)燃料を酸化させるのに必要な空気供給装置、およびPEFCを機能させるために必要な加湿装置の特性試験
(d)10kw相当の燃料供給系装置による負荷変動特性を評価する総合評価実験
(e)これらの要素研究および実験結果を反映した。負荷変動のシミュレーション解析
なお、米国におけるFuel Cell Seminarを含め各種シンポジウムに参加し、また地上プラントの調査も実施しました。
表1 研究のスケジュール
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